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Vol_11
 "魚介類を食べることは、身体そして心の健康にとても良い"ということは知られるようになって来ました。 中でも青魚に多量に含まれる"脳を元気にするDHA""血液をサラサラにし血管と心臓を元気にするEPA"は、 いま最も注目されている栄養素(サプリメント)のひとつです。今回は、前回に引き続き、DHA編の後編です。

DHAはアルツハイマー型認知症に効く

 認知症(痴呆症)は「アルツハイマー型」と「脳血管型」に大別できますが、いま日本で増えているのがアルツハイマー型です。 アルツハイマー型は、原因不明で脳の神経細胞が急速に死滅し、記憶力や思考力の大幅な低下、ひいては人格も破壊していく恐ろしい病気です。
 アルツハイマー型の患者さんの毎日の食事内容を調べると、健康な人たちにくらべて「食事時間が不規則」「食事を抜いたり、菓子類を食事代わりに 良く食べる」「偏食傾向が強い」といった特徴がみられます。また、アルツハイマー型の患者さんは、魚の摂取量が極めて少なく、魚中心の生活をしている人は わずか19%魚嫌い65%以上に上ったのです。
 ある研究結果では、魚を毎日食べている人はアルツハイマー型の死亡率が低いことが報告されています。また、アルツハイマー型で死亡した人は、 他の病気で死亡した人にくらべて脳内(海馬)のDHA量が半減していることも明らかになっています。
 実際にアルツハイマー型の患者さんがDHAを日常的に摂取すると、高い確立で症状の改善が認められます。 具体的には、意思伝達、意欲、徘徊によい効果が現れます。
 アルツハイマー型認知症(痴呆症)の発症と進行には、「動脈硬化」「活性酸素による神経細胞の死滅」「炎症」の3つが深く関わっているといわれています。 DHAは、これら3つの危険因子を退ける働きがあり、なおかつ別の側面からも神経細胞を元気にします
 また、アルツハイマー型の患者さんの中には、怒りっぽくなったり、暴力的になるケースがよくありますが、こうした感情障害の緩和にも、DHAの効果が期待できます。

DHAは脳血管型痴呆の予防と回復にも最適

 もう1つの脳血管型認知症(痴呆症)は、脳の血管障害(脳梗塞、脳血栓、脳出血)に基づいて発生します。
 日頃からDHAを摂取していると、血管の老化が抑えられ、血液の流れをよい状態に保てることから、脳の血管障害の予防に最適です。 すでに脳の血管障害が進んで痴呆症状が出ている場合でも、DHAの摂取で残っている神経細胞が元気になれば、症状の回復に役立ちます。
 実際に6ヶ月にわたってDHAを摂取した患者さんは、症状の改善が認められています。具体的には、意思伝達、意欲、せん妄(せんもう)・徘徊、 うつ、歩行障害などに効果がみられています。

DHAは脳の老化を防ぐうえでも有効

 DHAは、健康な人の脳の老化をゆるやかに保つうえでも有効です。
 脳の神経細胞は、成人に達すると1日10万個という単位で死滅していくといわれています。しかも一度失われると、二度と再生しないのが神経細胞の特徴です。
 しかし、たとえ数が減っても、個々の神経細胞の活性が高い状態にあれば、脳の老化は十分に食い止められます。これに役立つのが、DHAです。
 神経細胞の膜の中のDHAも、年をとるにつれて減りやすくなります。それでも、DHAを日常的に十分摂取していると、しだいに脳内のDHA量が若い頃と 同じレベルに回復し脳の老化抑制に大いに有効です。

DHAは、身体の病気にもよく効く

 DHAは、脳と心だけでなく、体の病気に対しても大きな効果を発揮します。
◎糖尿病に・・・
 糖尿病の妊婦は、血液中のDHA系列の脂肪酸濃度が低いことが、イギリスの大学の研究で明らかになりました。
 妊娠中は、胎児に栄養を送るため、健康な女性でも血糖値が上昇しますが、その上昇が過ぎると母子ともに健康を害する要因になります。 血糖値を適度に保ち、また胎児に充分なDHAを補う上でも、妊娠中の女性はDHAを充分に摂取することが望まれます。
 このほか、DHAの投与で、(1)インスリン依存のT型糖尿病の患者さんの糖代謝が活発になった。(2)インスリン非依存のU型糖尿病の患者さんの血圧が低下した。 (3)DHAの豊富な海産物をたくさん食べているイヌイットはU型糖尿病の発症率が低い、などの報告もでています。

◎ぜんそくに・・・
 日本の複数の病院で行われた研究によると、重症のぜんそくの患者さんに、DHAの豊富な魚介類と野菜を中心とした食事をとってもらった結果、 9ヶ月ほど経ったころから、治療薬の使用量が減り、呼吸機能の検査値が改善したといわれます。
 そのほか、心臓病、アトピー性皮膚炎、月経痛、大腸がん、乳がん、前立腺がん、大腸ポリープ、高脂血症、高血圧、脂肪肝、慢性関節リウマチ、 視力障害などに対しても、DHAの効果が報告されています。

参考資料:矢澤一良著「ブレインフードDHAで"脳と心"が元気になる」


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