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Vol_13
イメージ EP A(エイコサペンタエン酸)は魚の油に多い脂肪酸で、科学的には合成できない天然の栄養素。  また、DHAの前駆体であるとともに、近年になって急増した虚血性心疾患やアレルギーなどに対する 独自の有効性が数多く報告されています。  今回は、アレルギーや様々な病気に対するEPAの効果についてご紹介します。

アレルギーも、EPA不足が関与

 近年増えた病気として、アレルギー性疾患があります。アトピー花粉症はその最たるものです。  じつはこれには、EPA不足が関与しています。食生活の欧米化でリノール酸の摂取量が増えた一方、 EPAの豊富な魚介類をあまり食べなくなったことが、現代人のアレルギー反応を過敏にしているのです。
 リノール酸から生じるアラキドン酸は、体内でアレルギー反応を促す生理活性物質をたくさん作り出します。 これらの物質は、外来の病原菌を排除するうえで必須のものですが、過剰に生産されると、 今度は自らの組織まで障害しはじめます。その結果、引き起こされるのがアレルギー性疾患です。
 アラキドン酸の暴走を抑えるには、EPA積極的にとって、体内の脂肪酸バランスを改善することです。  EPAが体内に十分補充されると、アラキドン酸およびアラキドン酸由来の生理活性物質は減少します。 加えてEPAは、アラキドン酸からロイコトリエンB4などの起炎物質が産生されるのを直接阻害する作用もあります。

●医薬品よりEPAを選ぶメリット
 ちなみに、抗アレルギー薬の多くは、EPA同様、アラキドン酸やアラキドン酸由来の生理活性物質の生産を抑えることで 効果を発揮します。ステロイド剤などがそうです。 つまり、EPAは医薬品と同じしくみでアレルギーを抑えるわけですが、 医薬品と異なるのはリバンドなどの副作用の心配がない点です。

EPAは慢性関節リウマチの症状を緩和

 慢性関節リウマチも、ロイコトリエンB4などのアラキドン酸由来の生理活性物質の過剰生産が引き金となって発症します。 そのため、EPAの有効性が期待されていま す。 実際、EPAの豊富な魚油の投与で、慢性関節リウマチの患者さんの 「朝のこわばり」がやわらいだり、「痛む関節の数」が減るといった効果がみられることが明らかにされています。  魚油の効果は、治療薬のアスピリン並ともいわれ、薬の使用量を減らす逸材としても注目されています。

EPAは難病の炎症性大腸炎にも期待

 炎症性大腸炎は「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」があり、どちらも下痢と血便を主症状とする原因不明の難病です。  これらの病気の患者さんに対して、従来の治療を続けながら、EPAの豊富な魚油を7カ月間とってもらった研究があります。 それによると、魚油の投与で、クローン病では29名中13名が、潰瘍性大腸炎では10名中8名に、 それぞれ内視鏡的な改善がみられたと報告されています。

こんな病気にもEPAを!

◆がんの予防
 がんの予防にEPAは大きく貢献役立ち、特に欧米食の普及で増えた乳がん、大腸がんなどを防ぐうえで有効です。
◆閉塞性動脈硬化症
 閉塞性動脈硬化症は、全身性の動脈硬化疾患です。  主に下半身に病状が出やすく、自覚症状のほとんどない軽度のものから、 末梢部分に潰瘍・壊死が起こる重症例までさまざま。特徴的な症状としては冷感、 しびれのほか、間歇性跛行(一定距離を歩くと足に痛みを感じ、休むと痛みがやわらぐ症状)があります。  放置すると脳血管障害や虚血性心疾患を合併しやすいので要注意。  日本では、EPAはこの閉塞性動脈硬化症の治療薬として認可されています。 その効能・効果は「閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善」とされています。
◆脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)
◆脳卒中を誘発する不整脈も防止
◆空間認知学習能が向上
 DHAの摂取で、記憶力や学習能力、判断力などの能力が高まることは多くの研究で立証ずみです。
 一方、同じ魚油の成分でも、EPAと脳の関係はあまり研究されていませんでした。 しかし最近になって、EPAの健脳効果が見直されています。特に空間認知学習能力 (対象物の大きさ、高さ、距離、形、動きなどと自分の関係を認識すること。)の向上が期待されます。
◆うつ病
 EPAは、精神疾患に対しても有効に働くことが期待されています。  うつ病の患者さんは、赤血球膜中のEPAに対するアラキドン酸の比率が高く、 その値が高いほど、重症であることが明らかになっているのです。
◆統合失調症
◆認知症
 EPAは脳梗塞の予防に役立つことから、脳梗塞の後遺症として発症する脳血管型痴呆症を防ぐうえで大変有効です。  ちなみに、原因不明で発症するアルツハイマー型痴呆症に対しては、魚食やDHAの投与で効果が確認されているものの、 EPA単独の成果はまだ報告されていません。とはいえ、EPAはDHAの前駆体であり、アルツハイマー型と関係の 深い慢性炎症を抑える力もあるので、予防に役立つ可能性は十分あります。

参考資料:矢澤一良著「中性脂肪を減らし心臓を元気にするEPA」


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