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Vol_26
第7回サバ特集

 「鯖を読む」というのは、少ないものを多く言うときの意味であるが、近頃の女性はサバをよんで年齢を少なめにいう。このこともサバを読むというようである。鈴木棠三の『故事ことわざ辞典』ではこれをことわざとして取り上げていない。
 「さばをよむ」のは末広恭雄説というのがあって、『さかな通』という本に、

その語源は、と聞かれると一寸まごつく。本朝若風俗とかいう本に「外へは年を隠し、節分の豆もさばをよみ」とあるそうだから、ずいぶん古くから通用していた言葉らしいが、この出所といえば、魚市場の魚を数える際のごまかしからとみるべきであろう。目にもとまらぬ早業で小魚を掌に一握りしつつ「ひとつやひとつや、ふたやふたや、みっちょうやみっちょうや、よっちょやよっちょや……」と大声にやられると、何時しか催眠術にかかってしまう。そして数え上げる声が終わって、ふと我にかえった時には、既に大分してやられているという、あの魚市場の魔術がこの言葉を生んだとみる向きが多い。

とあるのだが、さばを読むというのは本来「鯖読み」というのがあって、干しあげて二枚ずつにした干しサバを二枚ずつ数えたことからついた名であると『日本国語大辞典』(小学館)に出ている。つまり、このことから、「鯖読み」というのは数をごまかすという意味で用いられるようになったという説であり、「十歳も鯖読みをする」という例をあげていることをみると、近ごろに限らず昔から女性は若く見てもらいたい信条に変わりはなかったということになる。

「サバの文化誌」田村勇著 / 雄山閣より

ワサビや大根、カラシはすりおろしたり、練ったりすることで、辛味を強く感じるようになる。すりおろしたり練ったりすることで、これらの植物の細胞が壊れて、中に含まれているミロシナーゼという辛味発生酵素が遊離し、細胞中のカラシ油配糖体(シニグリン)を加水分解することで、独得のにおいと辛み成分が生成される。
そこでワサビの場合は少しでも多くの細胞をつぶすように、目の細かいおろし金を用いてゆっくり「の」の字を描くようにおろせといわれるのである。また、空気に触れさせると風味がとぶといって、包丁で細かくワサビを叩く職人もいる。
大根の辛みは、メチルチオブテニルイソチオシアナートによる。大根を上部・中部・下部の3つに分けて辛味成分を測定したところ、下部の先端および外側ほど、カラシ油配糖体は多く含まれていた。最上部に比べて最下部は実に10倍以上も多い。したがって、辛い大根おろしが欲しいときは先端部をおろすとよい。大根は成長点に近いほど酵素の活性が高く、根の先端に成長点があるから下部ほど酵素は活性化され、辛味成分も多くなるのである。


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