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高知県の安芸に「降雪多き年はサバ仔多し」ということわざがある。 高知県の安芸は南国土佐の名のとおり黒潮の流れる太平洋岸に面していることから、雪が降らないように思われるが、北に剣山(1975m)がひかえてるため、ときおり山越えの雪が降る。 よくこのことわざを考えてみると、地元漁民の期待と願望が込められているように思われる。つまり、「降雪」により、川水の量が多いということはプランクトンの発生がよいということ。そして、サバの産卵期である5〜6月にプランクトンの発生がよいということは孵化したサバの仔の成長がよいということであり、このことわざには科学的な裏づけがあったことになる。 南国土佐はカツオの本場である。関東のカツオは夏を告げる魚であるが、南国土佐では一足先に水揚げされる。それは、回遊せずにこの水域で生育するカツオがいることにも関わりがあるのかも知れないが、ともあれ、サバの仔が生育する時期とカツオが沿岸近くに押し寄せるのとは生態系の上で相関関係があるのかもしれない。
カツオに全神経を集中させてきた南国土佐の漁民はこのことを経験し、知識として身につけてきたのであった。 このことわざはそうした経験から生まれたものと考えられる。したがって、「降雪多き年はサバ仔多し」ということわざには、今年はカツオを大漁することができるぞという願望が込められていたに違いないのである。
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