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人間とはおかしなもので、大変悪臭のする食べ物を好んで食べることがあります。ドリアン…納豆、ニンニク、ニラも臭い食品に入ります。めったに味わえないですが、スウェーデンにはニシンやイワシでつくる乳酸発酵製品シュールストレミングがあります。これと比べると「くさや」は穏やかな部類に入るでしょう。
 臭くておいしい「くさや」の干物 
くさやは、伊豆諸島の新島、大島、八丈島、三宅島など、また近頃は、小笠原諸島でも作られています。伊豆七島、小笠原近海は昔から、クサヤモロ、ムロアジ、トビウオの好漁場で、干物を作る干場の砂地にも恵まれていました。 江戸時代に食塩を年貢として幕府に納めていましたが、塩年貢の取立が大変きびしく、干物の魚を作る塩も制限され塩は島で貴重品でした。そこで魚をつけた塩水を節約のため何度も繰り返し使用することになったのが始まりです。 繰り返し魚を漬けているうちに塩水が発酵して特有の臭気と味のある「くさや汁」ができあがりました。 このくさや汁につけて干した魚の干物を江戸に送ったところこれを大変好む人々がいて、普通の干物よりも高い値段がつき、それ以後くさやの干物を作るようになったということです。
くさや汁の食塩濃度は、3?5%で、使用中に食塩を補充して長期間使います。
普通の開き干しとくさやの干物を比較すると、くさやの干物のほうが倍近く日持ちが良いことがわかっています。その理由には二つの説があります。 一つは、くさや汁が相当に強いアルカリ性であるため、腐敗菌が繁殖しにくいともいいます。しかし、くさや汁を調べてみるとアルカリ性の汁はごくわずかです。 もう一つの説は、くさや汁のなかの微生物が抗菌性物質を生産するという説です。くさや汁のなかの微生物を培養してこれを鮮魚から分離したバクテリアに入れてやると、バクテリアの増殖がおさえられます。抗菌作用のある物質が何かということはまだ解明されていません。下痢をしたときは、くさや汁を薄めて飲むと治るという言い伝えからも納得できます。
くさやの原料は、クサヤモロというアジの種類で作るのが最高級といわれます。ムロアジ、トビウオなども原料となりますが、どんな魚でもくさやの干物にできるそうです。
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